音楽用にもPSVRにも使えるこだわりのヘッドホン選び (SENNHEISER HD595 / HD598)

VR の大事な要素として「没入感」があります。没入感を高める大きな要素は VR ヘッドセットからの映像によるものですが、音響も大事な要素のひとつです。

PlayStation VR にはステレオヘッドホン (イヤホン) が標準で付属していますが、いろいろなヘッドホンを使って、より没入感の高い環境でゲームを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。

今回は、PlayStation VR のヘッドホン選びのこだわりポイント、おすすめの選び方をまとめてみました。

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そもそも PlayStation VR に別途ヘッドホンは必要?

ヘッドホンのおすすめの選び方、と言っておきながらいきなり否定的な話になってしまいますが、前述のとおり、PlayStation VR にはステレオヘッドホン (イヤホン) が付属していますので別途購入することは必須ではありません。また、PlayStation VR はステレオヘッドホンで立体音響を実現していますので、基本的に特殊なヘッドホンなどを必要としません。

多くのゲームはこのヘッドホンに最適化されていますので、付属のステレオヘッドホンで十分に VR の立体音響 (3D オーディオ) を楽しむことができます

また、付属のステレオヘッドホンはイヤホン型で非常に軽量です。ヘッドホンの利用は少なからずより重いものを頭で支えることになるため、ほぼ間違いなくかさばる上に重くなることに注意が必要です。

PlayStation VR を買ったからと言って無理に別途ヘッドホンを買う必要はない点を念頭においてください。

PlayStation VR でヘッドホンを選ぶ際のポイント

さて、ではヘッドホンの必要性を踏まえた上で、別途ヘッドホンを選ぶ場合のポイントについて整理していきたいと思います。

PlayStation VR でヘッドホン選ぶ際に気を付けておきたい前提は以下の3点です。

  • ステレオヘッドホンであること
  • VR ヘッドセットと組み合わせて使うこと
  • VR タイトルを楽しめること

それぞれについて以下で解説します。

ステレオヘッドホンであること

PlayStation VR の立体音響は通常のステレオヘッドホンに対応しており、サラウンドサウンドのヘッドホンには対応していません

ヘッドホンを選ぶ際は、通常のステレオヘッドホンを選ぶか、サラウンドサウンドに対応したヘッドホンのサラウンドサウンドモードをオフにして使う必要があります。

コネクター形状はピンジャック (3.5mmコネクター) となっており、サラウンドサウンドを使わないスタンダードな有線接続のステレオヘッドホンを使う事が推奨されています。

サラウンドサウンド機能などがついたヘッドホンでは逆に正しく音が聴き取れない場合がありますのでご注意ください。

VR ヘッドセットと組み合わせて使うこと

PlayStation VR ヘッドセットと組み合わせることにより、大きなヘッドホンでは干渉して邪魔になってしまう場合があります。

特に耳を覆うパーツ (ハウジング) の部分が大きすぎるものは VR ヘッドセットのヘッドバンドと重なってしまい、邪魔になるうえ音響も損なわれてしまうため、せっかくのヘッドホンの効果が薄れてしまいます。

VR ヘッドセットと一緒に組み合わせて試すことができる機会はないかもしれませんが、新たにヘッドホンを購入する際には特にハウジングのサイズに注意しましょう。

VR タイトルを楽しめること

前述とも関係しますが、PlayStation VR でヘッドホンを使う場合は VR タイトルを快適に、安全に楽しめることがやはり重要です。

大きさだけでなく、重さによる疲労なども考慮しながらヘッドホン選びを行いましょう。

PlayStation VR の体験会で使われているヘッドホンは本当におすすめなのか?

また、この手のヘッドホンの話題になると、PlayStation VR の体験会やイベントで使われているヘッドホンの購入を勧めているメディアやブログがありますが、本当にそうでしょうか?

私は PlayStation VR 体験会で使われているヘッドホンを『自宅でPlayStation VRを楽しむために購入する』ことはお勧めしません。

この理由については別のページにまとめていますので、気になる方はご覧ください。

私がPSVR体験会で使われているヘッドホンをおすすめしない理由 (SONY MDR-ZX660など)
PlayStation VR をより高い臨場感で楽しむために、おすすめのヘッドホンについてメディアやブログでの考察が各所で取り上げられています。 その中で...

従来のゲーム用ヘッドホンは PlayStation VR での利用におすすめなのか?

また、ゲーム用に作られているヘッドホンがありますが、こういったヘッドホン (ゲーミングヘッドホン) は PlayStaion VR での利用に向いているのでしょうか。

もちろんすでにお持ちのゲーミングヘッドホンなどを PlayStation VR で使うことはできると思いますが、PlayStation VR のために新しくヘッドホン選びをするのであれば、ゲーミングヘッドホンはあまりお勧めしません。

その理由は、ゲーミングヘッドホンはもともと FPS などの対戦型のゲームを有利に進めるために設計されており、PlayStation VR での利用や、音楽を快適に聴くためのツールとは少し違った作り込みがされているためです。

例えば、FPS ではゲーム内で発生する足音や銃声の聞き取りが重要になるため、これらの音域である高音域の音質に優れる一方で、音楽鑑賞で楽器などが鳴らす中~低音域の音に関しては一般的なヘッドホンより劣ってしまう場合があります。

また、音の距離 (音量) や方向をよりわかりやすくするため、5.1ch や 7.1ch のような立体音響に対応したものや、内蔵されたマイクがヘッドホンからの音量を拾ってしまうことが無いように特に遮音性を高めた構造になっているものなどがありますが、これらは PlayStation VR での利用においては不要な機能です。

あと、ゲーミングヘッドフォンはデザインが個性的なのも特徴のひとつ。これは好みの問題ですが、ゲーム以外での使用にはちょっと抵抗があるかもしれません。

私のおすすめは、オープンエア型の軽量オーディオヘッドホン

せっかく自宅で目いっぱい楽しむなら、PlayStation VR だけでなくオーディオ鑑賞にも最適なヘッドホンを厳選したいところですよね。

PlayStation VR 向けのヘッドホンとしてソニー純正のものや、他社の推奨製品などもありますが、私は一般的なオーディオ向けのヘッドフォンの中から本当に気に入ったものを選ぶのがおすすめです。

そんな中で、オーディオ向けのコストパフォーマンスの高いヘッドフォンで私がおススメするのは、ゼンハイザー (SENNHEISER) の「HD 500」シリーズです。

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私は 旧機種である「HD 595」というヘッドホンを所有していますが、こちらはすでに生産終了となっており、現在はいくつかの後継モデルが発売中です。ちなみに「HD 500」シリーズは価格帯によりいくつのモデルがありそれぞれデザインや音質が異なりますが、以下で解説するヘッドホンそのものの形状や形式は同じのため、PlayStation VR での利用においては大きな影響はありません。

この HD 595 ですが、PlayStation VR との相性が良いポイントが多くあります。私が実際に PlayStation VR と組み合わせて使ってみた HD 595 のポイントをレビューしていきたいと思います。

軽くて疲れにくく、VR ヘッドセットにも干渉しにくい

PlayStation VR とヘッドホンを組み合わせて使用する場合、気になるのは「形」と「重さ」です。

ヘッドホンにはおおよそ同じ価格帯、品質で並ぶ製品ラインナップが各社ごとにありますが、この HD 595 と同クラスの他社製ヘッドホンの多くは、耳を覆うパーツ (ハウジング) が大きな真円に近い形状をしています。対してこの HD 595 はより横幅を狭めた卵型をしており、PlayStation VR ヘッドセットにもほぼ干渉しません

また、頭の上にまたがるヘッドバンドもシンプルな形状になっており、こちらも PlayStation VR ヘッドセットに干渉しにくくなっています。

そして軽さも十分。特別軽量なモデルではありませんがバランスが良く、PlayStation VR ヘッドセットと組み合わせても疲れにくく感じます。

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開放型で VR に最適な自然な音。しかも安全

ヘッドホンには大きく分けて「密閉型」と「開放型 (オープンエア型)」の2種類があります。

これは、耳を覆うパーツ (ハウジング) の構造の違いを表しており、「密閉型」はハウジングが完全に音漏れしないように密閉されているもの。対して「開放型 (オープンエア型)」はハウジング部分から音が抜けるようにメッシュ部品などを使って隙間が設けられています。

密閉型」のヘッドホンは、音漏れしにくく野外や騒音の多い場所でも周囲の雑音をシャットアウトして集中して音を聴くことができる一方、密閉することにより音の共鳴が発生して音質を悪化させる原因となる場合があります。ゲーミングヘッドホンの多くが音を正確に聞き取りやすくするためにこの密閉型を採用しています。

対して「開放型 (オープンエア型)」のヘッドホンは音がヘッドホンの外に漏れてしまいますが、余計な反響や音のこもりなどを発生させず、より自然な音を楽しむことができます。室内での音楽鑑賞に使われる高級ヘッドホンにはこの開放型が多く使われています。

PlayStaton VR で利用するヘッドホンは私は「開放型 (オープンエア型)」がおススメです。HD595 も開放型のヘッドホンのひとつで、PlayStation VR の立体音響がより自然に聴こえるため没入感が高まります。また、通常 VR ヘッドセットを利用している時は周囲の状況が把握しにくくなりますが、開放型ヘッドホンであれば周囲の音が適度に聞き取れるため、より安全に VR コンテンツを楽しむことができます。

密閉型のヘッドホンを没入感を高める観点から勧めている紹介記事などがありますが、そもそも密閉されたからと言って没入感がアップするわけではありません。密閉によって籠った音響が逆に空間の広がりの感じ方を阻害してしまったり、ケーブルや機材の擦れるノイズや自分の呼吸音などが余計に反響して耳障りに感じたりすることで、逆に没入感や集中力を削がれることがあります。個人的にはこの不快なノイズが苦手なため、よっぽど周囲の音漏れを気にしない限り密閉型を選ぶ理由はありません。

イヤーパッドが気持ちいい。天国のつけ心地

HD595 は、耳にあたるクッション (イヤーパッド) がベロア素材になっています。ヘッドホンのイヤーパッドはソフトレザーやビニール素材のものが多くありますが、このベロア素材の肌触りは別格です。
(エントリーモデルの HD 518 はベロアではなく化学繊維素材になります)

また、このイヤーパッドは耳の周囲を覆うようなアラウンドイヤー型になっており、耳が潰されません。

オンイヤー型と呼ばれる耳の上にイヤーパッドを載せるような形状のヘッドホンがありますが、こちらは耳が潰されるようにヘッドホンを固定しなければならないため、長時間使用していると耳が痛くなってしまうことがあります。アラウンドイヤー型のヘッドホンは全く耳に負担がかからず、そもそも耳に部品が触れないので「耳が痛い?なにそれ」という状態です。

PlayStation VR との相性が良いポイントはやっぱりこの付け心地。ゲーム中に耳が気になっては没入感も何もありません。蒸れない、痛くならない、最高の肌触り。アラウンドイヤー型のヘッドホンの中でもこの HD 595 の付け心地には別次元の快適さがあります。

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オーディオ鑑賞にも抜群の定評ある高品質サウンド

もちろん音質も折り紙付き。

ゼンハイザーはドイツの音響機器メーカーで、同社のヘッドフォン、マイクロフォンは、音楽制作や映画制作などのプロフェッショナル用途にも多く使われています。

このゼンハイザーの HD 500 シリーズはその中でも一般向けのラインナップとなっており、モデルによりスペックの差はあるものの、いずれのモデルも自然でクリアな音質に定評があります。

当然、音楽鑑賞のためのヘッドホンなので、PlayStation VR での利用に限らず自宅での音楽鑑賞や映画などにも高い臨場感で楽しむことができます。

ヘッドホンブランドというと BOSE、SHURE、AKG、オーディオテクニカ、ソニーなどの陰に隠れがちなゼンハイザーですが、職人気質の高いゼンハイザーは音の忠実な再現へのこだわりが最大のポイント。個性を感じさせてくれるブランドです。

お気に入りのヘッドホンを見つけて永く使おう

今回のお話、結果的に私が個人的に普段から愛用しているヘッドホンを PlayStation VR に使ってみたら最高に使い心地が良かった、というだけの話なんですが、実際のこのヘッドホンは数あるヘッドホンの中でも PlayStation VR をより楽しむために向いているヘッドホンなのではないかと思います。

せっかくなら PlayStation VR やゲームのためだけに選びたくない。

自宅で音楽用としても楽しめる。

長時間着けても蒸れない、疲れない、痛くならないヘッドホン。

そしてそれがもし、音がとても良かったら?

HD 500シリーズが、それかもしれません。

現在は、HD 595 の後継機として、「HD 598」「HD 598 SE」がラインナップされています。またより安価なモデルとして「HD 558」がありますが、こちらは多少音質の差はあるものの、形状、素材が同じのため使い心地はほぼ変わりません。

音の感じ方には個人差がありますので、ヘッドホン選びは実際に聴いてみて着けてみて確認するのが一番。機会があればぜひ試してみていただきたいヘッドホンです。